養育費 不払い。 養育費が不払いとなった場合に早く確実に回収する方法

2020年4月に改正される「民事執行法」で養育費を受け取れる子どもが増える?

養育費 不払い

1、その養育費の取り決め、口約束ですか?書面がありますか? 養育費の回収で、一番大きなポイントは、その養育費の取り決めが• 口約束のみか• 「書面」があるか ということです。 (1)「書面」とは-債務名義がある場合 ここでいう「書面」とは、次のものを指します。 養育費についての公正証書(執行認諾文言(強制執行されても文句無いよという文言)付きのもの)• 調停離婚をされたケースにおける養育費について調停調書• 裁判離婚をされたケースにおける和解調書や判決 など これらの「書面」(「債務名義」といいます)がある場合、不払いである過去の養育費すべて、法的に回収することは可能です(相手にお金がない場合を除きます)。 「債務名義」の取得方法についてはこちらの記事をご覧ください。 関連記事 (2)「書面」がない場合(口約束にとどまる場合) 一方、養育費の取り決めが単なる口約束にとどまっている場合、不払いである過去の養育費については法的に回収することが難しくなります。 なぜなら、相手方に支払う義務があるという証拠がないからです。 しかも、もし相手方が「そのような約束を確かにしたのだ」と認めていたとしても、裁判をしても回収は難しいと言えます。 養育費とは、子育てのその場その場で必要とされる費用であるという建前から、過ぎた過去においてなんとかやってきてしまえている今、そのときの分を請求するのは不合理であるという判断がなされてしまうからです。 (3)「書面」じゃない書面がある場合 そして、書面は書面でも(1)に記載した「書面」以外、たとえば、誓約書などとして「何歳まで、月々いくら、毎月何日に支払う」と養育費の金額や支払い方法について当事者で合意があるだけである場合については、過去の不払い分を回収できないわけではありませんが、(1)の「書面」で回収するより時間がかかってしまいます。 なぜなら、これらの書面には「強制力」がないとされているからです。 「法的に回収する」とは、国家機関が関与して相手から強制的に回収をするということを意味します。 この点、私人間で作成された書面に強制力があるとなれば、内容が不合理なものであっても国家がそれに従って強制的に回収することがまかり通ってしまいます。 そのようなことはできませんから、法的に回収できる場合とは、国家が「その書面は内容的に問題ないものだ」と証明した書面があるとき、に限定されるわけです。 そのため、任意の誓約書などが存在している場合は、まずはこの書面の内容が正しいと国家に認めてもらう手続きが必要となってしまいます((1)の「書面」は、内容が正しいことをすでに国家が認めた書面であることはお分かりいただけるかと思います)。 任意の誓約書や合意書などでは(1)の「書面」で回収するより時間がかかってしまうとは、こういう理由からです。 書面の内容が正しいと国家に認めてもらう手続きの詳細は、「7」をご覧ください。 2、まずは、一般的な連絡手段で支払うよう伝える とはいえ、養育費についての取り決めがどのようなスタイルであっても、まずは、相手の支払う気持ちを確かめるためにも、以下の方法で支払いの催促をしましょう。 メール(パソコンでも携帯でも可、LINEやFacebookでもよいでしょう)• 3、一般的な連絡手段で支払いがなければ、内容証明郵便 もし、メール・電話・手紙でも支払いがない場合、内容証明郵便で支払いを要求しましょう。 (1)内容証明郵便とは? 内容証明郵便とは、• いつ(郵便発送の日付)• だれがだれに対して• どのような内容の手紙を送ったか について、郵便局が証明してくれる手紙です。 内容証明郵便は、郵便局が送った手紙の内容を証明してくれることから、証拠としての非常に有効です。 法律上の効力としては一般的な手紙と変わりませんが、書留郵便で配達され、文末には郵便局長が内容証明郵便として差し出されたものであることを証明する記載が入っています。 そのため、受け取った側はかなりのインパクトがあります。 このインパクトの強さゆえ、相手に対して、心理的プレッシャーを与えることができるのは事実です。 実際、通常の郵便で請求しても支払いをしてこなかったのに、内容証明郵便で請求したらすぐに支払ってくるケースはよくあるのです。 誰でも内容証明郵便を受け取ると、驚いてしまうもの。 一般的な不払いでは、内容証明郵便でかなりの効力が期待できます。 ちなみに、弁護士などが代理人として内容証明郵便の差出人になっているような場合には、さらに不払いを継続する場合は何か法的な手段をとるというプレッシャーも与えることができます。 弁護士名で法的措置を予告することで、それまで全く誠意の無かった相手方が支払いをしてきたり、こちら側の言い分を認めてきたりするケースもよくみられます。 弁護士名で内容証明郵便を送りたい場合は、まずは無料相談を実施している法律事務所へ問い合わせてみましょう。 (2)内容証明郵便の作り方 まず、一定の字数の同じ文章を、3通用意する必要があります。 用紙は文房具店でも売っていますが、字数を守れば自分で手書きやワープロで作成し、2部コピーをとってもかまいません。 字数は、用紙1枚につき520字以内で、• 縦書きの場合 : 1行20字・1枚26行• 横書きの場合 : 1行26字・1枚20行 で作成します。 1字でも過不足があれば、郵便局で受け付けてもらえません。 作り直しの手間がかかりますから、字数については十分に注意しましょう。 用紙が2枚以上になる場合は、ホッチキス等でとめ、差出人の印鑑(認印で可)で各ページに割り印 契印 を押します。 関連記事 (3)内容証明郵便の費用 料金は、通常郵便料金80円 25gまで に、内容証明料金一枚につき• 420円(1枚増すごとに250円加算)• 書留料金420円• 配達証明料金300円 となります。 4、それでも不払いだと、養育費の取り決め方法により手順が分かれる 内容証明郵便でも支払いがなければ、「1」の養育費の取り決め方法によって、次にすべきことが変わってきます。 次項から、養育費の取り決め方法別に、回収方法を説明していきます。 5、債務名義がある場合の養育費の回収方法 債務名義がある場合は、さっそく裁判所の手続きを利用しましょう。 裁判所からの連絡となるので、内容証明郵便よりも心理的プレッシャーが強く支払ってもらえる可能性が高いといえます。 したがって、公正証書しかない場合場合は利用できません。 公正証書しかない場合は、履行勧告を経ずして(3)の強制執行へ移りましょう。 詳細は各家庭裁判所に確認する必要がありますが、履行勧告は直接家庭裁判所に行ってお願いするだけでなく、電話のみでお願いすることも可能です。 (2)履行勧告でも支払いがなければ、履行命令 履行勧告でも支払いに応じない者に対しては、「履行命令」を出す方法もあります。 履行命令は一定の期限を定めて、義務を実行するように命令してもらう方法です。 こちらも履行勧告と同様、家庭裁判所の申し立てを行います。 正当な理由無く履行命令に従わない場合は10万円以下の過料が処せられますが、履行命令に法的強制力はないので、履行命令をもって相手の財産を差し押さえるなどの強制執行まではできません。 (3)履行勧告・履行命令でもダメなら、強制執行で養育費を回収 家庭裁判所による「履行勧告」「履行命令」などにもよっても養育費を支払わない場合には、相手方の財産を差し押さえる「強制執行」という方法をとります。 強制執行は、以下の流れで進みます。 その後、申立人が、執行官から送達したことの証明をもらうこととなります。 もし、執行文がない場合、債務名義の送達付与申請が必要となります。 公正証書の場合は、公証役場にお問い合わせください。 会社員である元パートナーは会社に対して「給料を支払え」という債権を持っていることになります。 この給料債権を差し押さえるのです。 なお、給料の差押えは元パートナーの勤務する会社に通知されることになります。 そのため、支払いがない時点で給料を差し押さえる旨の通知をすれば、会社に知られたくない元パートナーなら支払いに応じる可能性が高くなります。 その他よく行われる差押えは、預貯金の差押えです。 元パートナーの預貯金がある銀行口座を差押えます。 この点、長らく連絡を取っていない元パートナーの勤務先や銀行口座などわからない、という方も安心してください。 2020年4月施行の法改正により、これまで諦めざるを得なかったケースでも強制執行ができるケースも増えています。 詳しくはこちらの記事をご覧ください。 このように強制執行は強力な効力があるので、手続きの利用には書類の準備などが必要となります。 給料の強制執行にあたっては、以下の書類が必要となります。 債務名義(詳細が知りたい方は、以下の記事をチェック!)• 詳細は以下の記事をご覧ください)。 強制執行の申立書• 申立書の目録部分の写し、宛名付封筒• 給与差し押さえの場合、相手の会社の登記簿謄本(資格証明書)• 請求債権目録• 差押債権目録• 当事者目録 以上の流れで給与に対して強制執行することにより、不払いとなった過去分について、養育費を回収することができます。 関連記事 6、口約束の場合の養育費の回収方法 養育費の支払いについて口約束に過ぎなかった場合、これを回収するには民事訴訟(裁判)を起こす必要があります。 養育費自体は法律上も支払うべきとされていますので、民事訴訟(裁判)を起こせば勝訴となる確率は高いでしょう(ただし、前述の通り、過去分については認められない可能性が高いく、その場合はこれからの支払いについて、元パートナーに義務付けされるだけとなります)。 もっとも、金額については、裁判所でが定められています。 算出にあたり考慮される要素となるのは、• 養育費を支払う者の年収• 親権を持つ者の年収• 子供の年齢• 子どもの人数 です。 相手方に資力がない場合(無職で給料がないor日雇いなどで一定の給与でない、預貯金等の資産がない等)は、いくら裁判で勝っても意味はありません。 ではどうしたら良いか。 それは、これまでどんな財源をもって支払ってきたのか、なぜ不払いになったのかなど、具体的な内容を考慮した上で、どのように動くべきかが決まります。 まずは、支払ってほしい旨(金額や期限なども記載して)、メールやラインなど、相手が簡単に返信できる形態で連絡をし、相手からの反応をもらうようにしましょう。 「わかってる」「もう少し待ってほしい」など、支払うことを理解しているという内容の返信がもらえたら一歩前進。 そしてこれを証拠として保存しておいてください。 それらの証拠をもって、まずは弁護士に相談してください。 どのように動くべきか、共に具体的対策を考えるためです。 相談を無料とする法律事務所も増えていますので、気構えず相性の合う弁護士を探されると良いでしょう。 7、当事者の合意たる任意書面がある場合 養育費の支払いについて、誓約書などの当事者の合意たる任意書面がある場合は、これに基づいて回収を図りましょう。 ご説明してきた通り、まずはこの任意書面を強制力のある書面にすべく、次の行動を起こすことになります。 (1)公正証書化 もし、元パートナーが単純にルーズであり、気持ちの上では協力したいと考えているような方であれば、書面を公正証書化しておきましょう。 書面を公正証書にするには、公証役場にいきます。 公証役場には公証人がいますから、相談してみてください。 公正証書化してもなお支払わない場合は公正証書をもって強制執行に移ることができますので、相手が単純にルーズな場合は、ルーズでいられなくなる心理を生じさせることが期待できます。 (2)即決和解 相手が任意書面を交わしたことは認めているのに、その金額について減額したいことからなかなか支払わないというようなケースでは、この即決和解がオススメです。 即決和解とは、裁判外で和解(話し合い)をすることです。 もう一度額を取り決め、これを簡易裁判所で調書にしてもらえます。 この即決和解調書も債務名義になりますから、作成後は相手も支払わないわけにはいかなくなります。 (3)民事調停 任意の話し合いをなんだかんだ理由をつけて逃げている相手に対して、裁判所からの連絡が行けば応ずるだろうという場合は、民事調停を申し立てましょう。 民事調停では調停委員を挟んだ話し合いですから、直接話し合う事もありません。 調停で成立した内容も調書が作成され、これが債務名義になります。 (4)支払督促 相手が支払いをとにかく逃れようとしているようなケースでは、支払督促を検討しましょう。 任意書面を債務名義にするためには、公正証書のほか、訴訟をして勝訴し、確定判決を得る方法があります。 ただ、この確定判決を得る訴訟は、時間と費用がかかるのです。 支払督促とは、債権債務が確認できる書面があれば、訴訟をせずとも「仮執行宣言付支払督促」を出してもらえますので、迅速に債務名義を得ることができます。 この債務名義を得たあと、強制執行に移りましょう。 関連記事 (5)訴訟の提起 相手が任意書面について錯誤があったなど、書面の無効などを主張している場合なら、訴訟を提起していきましょう。 訴額が60万円以下の少額であれば、「少額訴訟」という簡易な訴訟の提起もオススメです。 訴訟で勝訴し、確定判決を得られれば、これが債務名義となりますから、それをもって強制執行へ移りましょう。 8、将来の養育費も差し押さえることができる? 現在の法律では、現時点で支払われていない養育費に加えて、将来の養育費分についてもまとめて差し押さえの申し立てをすることができます。 具体的には、一度でも養育費の支払いを怠ったときは、将来の養育費の支払い分についても1回の手続きで強制執行が可能です。 そのため、不払いの養育費に対して強制執行することにより、自動的に将来の養育費の獲得も可能となります。 ただし、将来分の養育費については、法律で、その養育費の支払期限後に支払われる給料からしか、取り立てることができないと定められています。 すなわち、将来分もまとめて一度に回収できるわけではない点には注意が必要です。 現在養育費の支払いが滞っており、今後も支払いが不安という場合には、強制執行の手続きをとるのがよいでしょう。 まとめ 今回は養育費を確実に回収するための方法と具体的な進め方について書きましたが、参考になりましたでしょうか? お子さんのために、一刻も早く養育費を回収しましょう。 何か法律トラブルに巻き込まれた際、弁護士に相談するのが一番良いと知りながらも、どうしても費用がネックになり相談が出来ず泣き寝入りしてしまう方が多くいらっしゃいます。 そんな方々をいざという時に守るための保険が弁護士費用保険です。 弁護士費用保険メルシーに加入すると 月額2,500円の保険料で、 ご自身やご家族に万が一があった際の弁護士費用補償(着手金・報酬金)が受けられます。 離婚、労働トラブル、ネット誹謗中傷、自転車事故、相続、子供のいじめ問題などの場合でも利用可能です。 (補償対象トラブルの範囲はからご確認下さい。 ) ご自身、そして大切な家族をトラブルから守るため、まずは資料請求からご検討されてはいかがでしょうか。 提供:株式会社カイラス少額短期保険 KL2020・OD・053 カテゴリー• 102• 153• 203• 131• 124• 142• 369•

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【養育費不払い】2020年4月から給与や預金の差し押さえが容易に 「第三者からの情報取得手続」について解説 | マネーの達人

養育費 不払い

意外に多い!養育費の不払い率 まず、養育費の支払い状況について、データを見てみましょう。 厚生労働省の「平成23年度全国母子世帯等調査」によると、 6割の離婚母子世帯は、父親から養育費を一度も受け取ったことがないという実態が浮き彫りになっています。 更に信じられないことに、 婚直後は養育費を受け取っていたものの、途中で支払いが途絶えたケースも多く、実際に養育費を受け取っている離婚母子世帯は、全体の2割程度でしかない現実があります。 これは離婚後に離れて暮らす父親の8割が、親としての責任を果たしていないことを表しており、とても悲しい事実です。 加えて残念ながら、養育費不払いの罰則は現状ありません。 親権を持つ母親の方も、父親との面会をさせないまたはさせられない事情があることも、離婚後に父親との距離が大きく離れてしまう一因になっているように思います。 なぜこんなにも養育費の支払い率が低いのか では、支払いが滞る原因は何でしょうか? 父親側の経済的困窮がまず想像されるのですが、実は、そうではないのです。 なぜなら、本当に養育費の支払いが困難とみられる年収200万円未満の父親は、全体の2割程度だからです。 ほとんどの父親が支払い能力を持っているのです。 したがって支払い能力を持っているにも関わらず、 父親としての責任を放棄している実態がここから読み取れます。 一方、先の調査によると 母子家庭の平均年収は、223万円となっています。 そしてこれは、児童扶養手当などの様々な手当を含んだ数字です。 全世帯の平均年収は430万〜450万円と言われていますので母子家庭の平均年収はその約半分です。 つまり母子世帯のほとんどが経済的に困難な状況に置かれているということを示しています。 この問題の解決には、社会全体で母子家庭に支援をするのと同時に、養育費支払いの責任を有する者にきちんと責任を果たさせることが大事であると言えます。 また、 離婚後に子供と父親との定期的な面会の場を設けることで、父親の方も責任を実感し、養育費の支払い率が上がるようになるのではないでしょうか。 では、本題である、養育費が不払いになった際の請求フローについて、ご説明したいと思います。 離婚の仕方にはいくつかありますので、パターン別に見てきましょう。 協議離婚 離婚公正証書なし で離婚した場合の回収フロー 協議離婚で別れる夫婦は、全離婚の90%を占めるといわれています。 離婚時の取り決めは離婚協議書という形で契約書にし、公証証書化をしておく方が、離婚後のトラブルを抑止する効果が働くので理想的です。 しかしながら、実態としては、契約書を作らず、公正証書にしていない夫婦が大半だと思われますので、多くの方がこのパターンに当てはまるでしょう。 このパターンの養育費回収フローは以下の通りとなります。 そして、支払えない事情があるのか、支払わないとどうなるのか、しっかり話し合いましょう。 あわせて、きちんと支払い期限を区切ったうえで、支払うよう促します。 そのため、証拠としての能力があり、差出人の本気度を伝えることになるので、相手へ心理的プレッシャーを与えることができる方法です。 内容証明郵便の作成方法ですが、もちろん自分で書くことができます。 作成の際のルールですが、用紙一枚当たりの文字数に決まりがあり、縦書きの場合は、1行あたり20字以内、1枚あたり26行以内で書くことになります。 さらに、同じものを3部用意することが求められています。 これは、原本の他にコピーを2部取ればよいでしょう。 なお、用紙が2枚以上になる場合は、ホッチキス等でとめ、差出人の印鑑(認印で可)で各ページに割り印 契印 を押します。 作成したら郵便局へ持参し、内容証明郵便及び配達証明郵便での発送を依頼します。 これがうまくいかなくなったら第三者 裁判所 の力を借りて話し合いを進めることになります。 関連記事 協議離婚 離婚公正証書あり で離婚した場合の回収フロー 協議離婚のうち、きちんとを作成して別れた場合は、以下の方法をとるのがよいでしょう。 そうして、きちんと期限を区切ったうえで、支払うよう促します。 そのため、証拠としての能力があり、差出人の本気度を伝えることになるので、相手へ心理的プレッシャーを与えることができます。 離婚公正証書を作成していても、まずは穏当な方法で進めていきましょう。 実際執行されるまでに数ヶ月かかることもあります。 強制執行を行うためには、まず、それができる権利を証明する公的な文書が必要となります。 そして、離婚公正証書を作る最大の目的は、この強制執行を可能とする文書を事前に作っておくということなのです。 そのため文章内には、強制執行認諾文言という一文を入れておかなければなりません。 これは、強制執行をされても文句は言いませんよという意味の文です。 まずこれが入っているか確認しましょう。 これが入っていれば、離婚公正証書による強制執行が可能です。 その他、準備するべきものは、相手方の財産の情報です。 裁判所はそこまでは調査してくれませんので、相手方の勤務先や、口座の情報などを把握する必要があります。 (ここが少しハードルが高いかもしれません。 ) そして、裁判所に対し強制執行の申し立てを行います。 関連記事 離婚調停で離婚した場合の回収フロー で離婚した場合は以下の手順で進めていくのがいいでしょう。 そうして、きちんと期限を区切ったうえで、支払いを促します。 まずは、穏当な方法から始めるのは基本です。 利用する際は、裁判所に対し手数料の納付はいりませんし、口頭による申立ても認められています。 そして裁判所からの公的な催告なので自分でする方法より強いプレッシャーを相手にかけることができます。 相手が従わなかった時の強制力はありませんが、まず試してみる価値はあるでしょう。 先に述べたようにこれを行う場合は、公的な文書が必要となりますが、離婚調停で離婚した場合に作成する調停調書も、強制執行を可能とする文書の一つなのです。 したがって、これを使って強制執行の手続きを進めていくことになります。 関連記事 相手が経済的に払うことができない場合 まず、経済的に支払えないという状況でも、養育費の支払い義務がなくなるわけではありません。 また、経済的に支払うことができないといってきた場合、いろいろなパターンが考えられます。 再婚相手との生活を優先するため、養育費の支払いが困難といってきた場合 実は、結構多いパターンです。 ある程度の年収がある父親は、離婚後再婚することが多く、再婚相手との新しい家庭を優先し、結果として、父親が養育費を不払いになってしまうケースが多くあります。 年収200万以下等の低収入の場合 この場合でも、平均年収223万円といわれる母子家庭と比べたら余裕はあるとみることもできますし、同じような収入で母と子で暮らしている方としては、1万円でも収入がある方が助かります。 まずは粘り強く話し合いをしましょう。 相手が自己破産等の経済的に切迫した状況の場合 この場合でも、養育費の支払い義務はなくなりませんが、相手からの減額請求に応じざるを得なくなることはあり得ます。 相手の親に養育費の支払いを請求できる? 最後に、父親に支払い能力がない場合、その親に請求できないかについてみていきます。 祖父母から孫への扶養義務 祖父母であっても、孫に対する扶養義務は存在します。 但し、 優先順位としては、父母が有する扶養義務が上です。 さらに、祖父母もない袖は振れません。 祖父母の孫への扶養義務というのは、祖父母の生活に余裕があるならば、果たしなさいという程度の義務なのです。 ですので、そこのところを考慮したうえでなら、祖父母に請求することも可能となります。 連帯保証人にしておく 一つの方法として、 養育費の取決めをする際に、祖父母を連帯保証人としておけば、父親本人の支払いが滞った時に、連帯保証人である祖父母への請求が可能となります。 離婚前の結婚生活において、どれだけ孫を祖父母に会わせていたかにもよると思いますが、孫への愛情が深い祖父母であれば支払いに応じる可能性はあるかもしれません。 関連記事 母親側も面会の場をしっかり設けることが重要 今回は離婚後トラブルの1つである養育費不払い問題について整理しました。 既に離婚をしている人だけでなく、将来の離婚を考えている人にとっても、離婚後トラブルとその対処法について考えるきっかけとなりましたら幸いです。 離婚後トラブルに関しては、慰謝料・養育費の未払い問題と、子供との面会が約束どおりに成されないという問題が頻繁に報告されています。 実はこの2つの問題には密接な関係があり、母親側は「養育費を払わないような父親には子供を会わせない」と考えがちであり、父親側は「子供に会えないから、(父親である実感がどんどん無くなっていき)養育費を払う意味を感じられない。 だから払わない」と考えがちです。 これはどちらにも非があり、 母親側はたとえ養育費が支払われていなくても、まず子供と父親との面会を実現する父親側はたとえ子供との面会が実現していなくても、まず養育費を払うという行動が大切になります。 離婚後も子供のために元夫婦双方が歩み寄ることが、大切なのではないでしょうか。 関連記事 今回は離婚後のトラブルについて考えてみました。 このテーマは相談件数が多いので、また別の機会にもクローズアップしたいと思います。 追記:将来養育費の強制執行のハードルが下がるかもしれない 2016年6月4日付読売新聞朝刊によると慰謝料、養育費などの不払い対策として法務省が新たな制度を導入する方針を固めたそうです。 現行の「強制執行」制度では不払い者(債務者)の財産を裁判所が差し押さえられると定められていますが、支払いを受ける側(債権者)が相手方の財産の所在(口座)を特定しないと差し押さえができないようになっています。 具体的には金融機関の支店名まで突き止める必要があります。 離婚して別居している相手の銀行に関する情報を特定するのは現実的でなく、差し押さえができないケースも多いことから、2016年6月に法務省は「不払い者(債務者)の預貯金口座を裁判所を通じて特定できる新たな制度」を導入する方針を固めました。 ただし、2018年に通常国会への改正案提出を目指すということで、施行となるともう少し先になるでしょう。 将来、強制執行が実施しやすくなることと、抑止効果が働いて、慰謝料、養育費の不払い自体が減り、泣き寝入りする方が減ることを願ってやみません。 ちなみにフランスやドイツ、韓国などでは今回のよう制度がすでに導入されているそうです。 不払いの養育費の請求を行う場合、なかなか一人では難しいことが多いです。 ひとりで抱え込んで悩む前に弁護士に一度相談してみてもよいでしょう。

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養育費の未払いは許さない!支払わない夫への請求フロー

養育費 不払い

北海道・東北• 東海・甲信越• 近畿・北陸• 中国・四国• 九州・沖縄• 各国の養育費政策に詳しい東北大の下夷(しもえびす)美幸教授に聞きました。 多くの国には司法による解決のほか、行政による制度があります。 タイプは二つ。 別れた親からの徴収を強化する国と、立て替え払いをする国です。 徴収の典型は米国です。 1960年代半ば以降、公的扶助を受給する母子世帯が増加し、財政負担が問題となったことから、父親からの養育費に関心が高まりました。 75年、連邦政府に養育費庁、各州に養育費事務所が設置されました。 すべての州で、非同居親の捜索、養育費の給与天引きや税還付金からの相殺などが公的な制度として行われており、応じなければ制裁もあります。 かなり強力な制度ですが、それでも徴収されるべき金額のうち、実際に徴収できているのは6割ほどです。 低学歴や技能を持たない父親の不払いが目立つようになり、養育費政策の一環で、父親向けの就労支援も始まりました。 親子の交流がある方が支払いはよい傾向にあり、面会交流の支援も進められています。 公的介入によって、「親としての責任」を果たさせる点が特徴です。 立て替え払いの代表的な国はスウェーデンです。 こちらは「子どもの権利」の保障というとらえ方です。 養育費が払われない場合、社会保険事務所に申請すれば、立て替え払いとして手当が支給されます。 子どもが18歳まで、学生であれば20歳まで延長されます。 同事務所は養育費を支払うべき親から、その所得と子どもの人数に応じた額を徴収します。 支払い能力が十分でなければ減額や免除があります。 応じない場合は税や社会保険料などの未納金を徴収する国の機関が強制執行し、ほぼ100%徴収しています。 支払えない親は国が肩代わりし、支払い能力がある親の逃げ得は許さない、という態度です。 主要先進国はどこも行政が養育費に関与しています。 子どもの生活費に関わる重大な問題だからです。 日本では、養育費は家族内の問題という認識が強く、行政は直接関わってきませんでした。 厚生労働省による全国母子世帯等調査では、83年から養育費が調査項目に入り、この時「現在も受け取っている」という人は11・3%。 その後、最も受け取っている割合が高かったのは98年の20・8%です。 約30年前から把握され、公表されていた問題ですが、具体的な制度の進展はありませんでした。 ようやく2000年代に入り、福祉政策に「養育費の確保」が入ったものの、行政の関わりは家庭裁判所の利用手続きを助言し、裁判所での解決を後押しする程度にとどまっています。 つまり、養育費は自己責任で確保せよ、ということです。 当事者任せは、泣き寝入りや子どもの不利、親子の断絶につながっています。 養育費争いをしなくてすむよう、子どもの権利の観点から、合理的に必ず確保できる仕組みをつくるべきです。 養育費だけで母子家庭の貧困はなくなりませんが、親も責任を果たし、国も十分な手当を保障して、公私で子どもの生活を守る体制を整える必要があります。 (聞き手・中塚久美子) 体験に基づく提案や意見 フォーラム面に届いた90近いメールの中に、行政の幹部、養育費の取り決めに携わる関係者、海外での離婚経験者からの、体験に基づく提案や意見がありました。 養育費を取り決めない人が多すぎます。 養育費について書かれた離婚調停書や公正証書がなければ離婚届を受理しないことにし、取り決めを離婚の条件にすべきです。 単独親権も問題。 一方を親権者にするため、もう一方に養育の義務がないかのような錯覚を与え、養育費の不払いにつながっている。 変えたほうがいいと思います。 親権は「権利」ではなく「義務」ととらえるべきです。 どちらも法改正が必要で時間がかかるでしょう。 ただ自治体にも支援できる方法はあると思います。 支払いがなくて生活に困窮している場合やDVで取り立てようがない場合は立て替え、債権譲渡を受けて取り立てる仕組みならできると思います。 一方で、面会交流も大事です。 私は5歳の時に両親が離婚しました。 父親に引き取られ、母親に再会したのは27歳。 父親とは違う太った体形にコンプレックスを持っていましたが、母親を見て、「自分のルーツはここにあったんだ」と気が楽になり、自分を受け入れられました。 名古屋市の調査では、養育費を受け取っている母子家庭の7割弱で面会交流が続いていた。 養育費の方が優先順位は高いですが、できれば面会交流と一体で考えるべきです。 離婚の時は別れることに精いっぱいでしょうが、子どもに関することは冷静に考えてほしいですね。 簡単にできるのは役所の窓口での取り組みです。 離婚届にある養育費、面会交流のチェック欄の「取り決めた」に記入がなければ、職員が「家庭裁判所で取り決めができます」と勧めます。 家裁での調停は何度話し合っても、子ども1人なら2千円以下です。 額が決まる流れも説明する資料も配ります。 次に取り組んでほしいのは「離婚学級」の実施。 韓国では離婚前に「熟慮期間」を設け、養育費や面会などを取り決めた協議書の提出を義務化しました。 離婚後も子どもに愛情と責任を持ち続けるような親の意識改革が日本でも必要です。 子どもへの配慮や養育費、面会交流などに関するDVDを作り、役所で見られるようにする。 離婚届の提出には、視聴した証明書の添付を求めてはどうでしょう。 将来的には、未成年の子どもがいる夫婦は調停か裁判でしか離婚できないようにし、養育費の取り決めを義務化してほしい。 養育費は裁判所の口座に入金させて子どもの口座に振り替える。 入金がない場合は裁判所が立て替え、マイナンバーなどを利用して徴収すればよいのでは。 子どもには養育費を得て暮らす権利、別居親との面会について意思を尊重してもらう権利があります。 子ども以外が断るのは権利の侵害。 権利を保障する社会を作らない我々大人も、子どもの権利を侵害していると言えるのではないでしょうか。 米国に移住して木工関係の仕事につきましたが、気づかぬうちに夫婦の溝は広がっていました。 私たちには娘がいて、当時14歳でした。 養育費を決めた法的書類を含め、離婚申請を裁判所に出し、認められれば離婚となります。 争う意思はなかったので、ミディエーターという法的仲介人に書類作成を依頼。 2001年に離婚しました。 アリゾナ州では、子どもの高校卒業まで養育費を払う責任が課され、夫婦の所得により養育費が割り当てられます。 不払いになると裁判所に通告されて記録され、例えば交通違反などの取り調べで発覚すると、逮捕されることもあります。 離婚申請後45日以内に、子どもに与えるストレスを学ぶ授業を受けた修了証を提出しないと、法的手続きは進められません。 娘は1週間ごとに私と元妻の家を行ったり来たりして過ごしました。 でも、3年後からは元妻のもとで暮らすことになりました。 娘の負担を考えたからです。 誕生日やクリスマスといった「家族の時間」は、どちらで過ごすか話し合いました。 アカデミックグラントという奨学金を利用し、娘はしっかり勉強して基準をクリアし、州立大学に無償で通いました。 返済も要りません。 州によって細部は違いますが、親が法的責任を果たしているか確認されるのが米国の特徴だと思います。 自分の娘を、私がサポートしないで誰がするのか、という思いで養育費を払い続けました。 子どもに対する親の責任はアメリカも日本も同じ。 その責任をとらない親や責任をとらせない国は残念でなりません。 韓国では徴収支援する機関も 日本と同じように、母子家庭の困窮と孤立が深刻な韓国では昨年3月、女性家族省のもとに養育費履行管理院が設けられました。 2012年の調査によると、ひとり親家庭の83%が元配偶者から養育費を受け取っていませんでした。 育児と仕事を抱え、養育費確保のための法的手続きには時間も知識も不足しがち。 日韓の養育費問題に詳しいソウル家庭法院(家裁)の宋賢鍾(ソンヒョンジョン)調査官(46)は「養育費の相談は多く、有識者や当事者団体を中心にシンポジウムが開かれ、社会の関心も高かった。 中心的な役割を担うところが必要になった」と言います。 履行管理院の役割は相談と徴収です。 申請を受けて相手の住所、財産や所得を調査、協議成立から取り立てまで支援します。 「養育費は父母の最低限の義務です」と書かれた広告が地下鉄の車両に掲げられています。 この1年弱で3万件以上の相談があり、履行管理院の支援で658件、約30億ウォン(2億7千万円)の養育費が支払われました。 一方、当事者団体の「韓国ひとり親連合」代表、チョン・ヨンスンさんは「経済的理由が離婚の大きな要因。 相手が支払えない場合もあり、国の一時支援も対象が限定的。 困窮家庭の場合、国が責任を果たす前提を優先すべきだ」といいます。 離婚後の親権についても考えます 母子家庭をめぐる日本の現状を考えると、海外のように養育費の取り決め・支払いに公的機関を関与させる仕組みを導入すべきだと思いました。 一方で「子どもに会わせてもらえないのに養育費を払えと言われても従うわけがない」といった声にもうなずける部分があります。 養育費と面会交流を受ける「子どもの権利」を守るために、実効性のある制度の新設が必要だと感じています。 寄せられた投稿には、「共同親権の海外とは環境が違う」と日本の単独親権を問題視する意見が複数ありました。 そこで今度は離婚後の親権について考えます。

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