東北 メディカル メガバンク。 組織・メンバー

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意見書の要旨は、 本構想の中核であるヒトゲノムコホート研究は、医学医療のイノベーションを実現する一つとして期待される分野ではあるが、運用次第では取り返しのつかない人権侵害をひきおこす危険性があることを指摘し、 1)本プロジェクトが被災して非常時にある地域住民にとってふさわしい計画なのか。 2)被災地自治体や被災者と十分相談しながら進められていないことに不安や疑問があること。 3)被災地に求められている医療の復興に本当に結びつくのか。 4)基礎となるICT構築の現実性とゲノムデータのセキュリティの確保の問題。 5)ヘルシンキ宣言などと照合した倫理面の検討 以上の5点にわたって、関係者が慎重に検討されることを希望する。 という内容です。 なお、本メガバンク計画の政治的な背景と狙いについては、本誌1448号、日野秀逸氏の寄稿に詳細に述べられておりますので、そちらを願います。 今回は、このような意見書提出に至った経過、県の復興計画との関連や倫理的な問題点について個人的な意見も加えて補足します。 1)「東北メディカル・メガバンク構想」の登場への不信と違和感 昨年7月に、宮城県震災復興計画(2次案)が発表され、パブリックコメントが求められていました。 「単なる復旧にとどまらない、再構築、発展」を強調する県の姿勢に対し、医療者の立場から「被災地は広範囲に深い傷を負った重症状態であり、戦う体作りではなく、まず傷を保護し癒し、それぞれの局所で懸命に再生しようとしている細胞や組織に十分な栄養と血液を送るのが正しい治療(政治の役割)と考える。 」旨のコメントを送りました。 翌8月に、宮城県震災復興計画(最終案)が発表され、県民からの意見が少しでも反映されたものがないかと医療・福祉分野を中心に目を通しましたが、当然のことながら、ほとんど変更はなく、唯一、ICTを活用した医療連携の構築の中に「東北大学を中心としたメディカル・メガバンク構想等を踏まえ」の一文が追加されていました。 ここから、県民センターとしても私個人としても「メガバンク」と向き合うことになります。 なぜ、パブコメを求めた二次案になく、最終案に滑り込まされたのか?疑心暗鬼の始まりでした。 被災地を対象に、東北大学が拠点となって、大規模なゲノムコホート研究を計画したいというものです。 私が、違和感を覚えたのは、このスライド4でした。 2)メディカル・バイオバンク計画の背景と上からの強行 このような、ヒトゲノムコホート研究は、震災前から、再生医療と並んで、医学医療のイノベーションを実現する一つとして、国際的にも医薬関連産業を巻き込みながら熾烈な競合の渦中にあり、政・財・官・学が一体となって推し進める戦略が背景にあることは、1448号の日野氏の寄稿文に詳細に述べられています。 震災復興を口実に、この国家戦略が堰を切ったように具体化したというのが本質です。 6億円、東北メディカル・バイオバンクの構築として492. このような上からの計画と具体化は、対象の被災住民や自治体、医療機関には事前の相談もなく、巨額の予算も決定され、後戻りできない形で進んでいます。 こんなことが、民主主義の世の中で許されるかと率直に思います。 提案者は「復興に寄与する事業」という確信があってのことでしょうが、このように「いいことだから従うのは当然」という発想はパターナリズムとして非難される行動です。 3)復興財源の使い方と優先順位 もう一つは、予算の巨額さです。 ICT+メガバンク合わせれば800億を超える税金の投入です。 一方では被災した医療機関の再建のために、平成24年~27年の地域医療再生基金400億弱の配分や補助率をめぐって厳しい議論が行われています。 公的病院再建の配分は何とか予算化されましたが、その他多くの民間医療機関は再建しようにも、わずかな補助率では再建できない状況にあります。 貴重な復興財源の使途として優先順位が違うのではないか?というのが率直な思いです。 逆に、巨額の復興財源が、製薬・医療機器産業やIT産業・ゼネコンに食い物にされるのではないかと勘繰ってさえしまいます。 日本、東北、特に被災地の医師不足は深刻な問題です。 同じ文科省・厚労省の予算なら、一昨年から検討されている、新設医科大構想を具体化したり、移転新築する石巻市立病院に地域医療の担い手を育てる家庭医・総合診療医研修センターを併設する方が、医師不足に苦悩する被災地だけでなく東北地方に元気と希望を与えることになると思います。 4)「東北メディカル・メガバンク構想」の倫理的問題点 このようなゲノムコホート研究は、珍しくはなく、国内外で行われています。 しかし、その合意形成と実施までは、相当の時間をかけています。 国際的にも先んじたアイスランドでも、賛否両論の中で約2年間の国民的議論を行い「保健医療分野データベース法」及び「バイオバンク法」として立法化しています。 国内の長浜市のバイオバンクでも、行政と市民と研究者が一体となって2年間16回の議論で「長浜ルール」を策定し、市民の自覚的参加で実施されています。 ヒトゲノムは究極の個人情報であるだけに、ゲノム研究の対象となる地域住民は、その研究の趣旨や方法、リスクについて説明され十分に理解し考え議論できる状態にあることが前提になります。 しかし、被災地住民は最も困難な状況にあり、そのような平時の生活でないことは誰の目にも明らかです。 医学研究の倫理指針である「ヘルシンキ宣言」(抜粋)では、17. 不利な立場または脆弱な人々あるいは地域社会を対象とする医学研究は、研究がその集団または地域の健康上の必要性と優先事項に応えるものであり、かつその集団または地域が研究結果から利益を得る可能性がある場合に限り正当化される。 研究参加へのインフォームド・コンセントを求める場合、医師は、被験者候補が医師に依存した関係にあるか否か、または強制の下に同意するおそれがあるか否かについて、特別に注意すべきである。 と規定されています。 被災地住民を対象としたゲノム研究が、「不利益になるようなことはないか?」「不利な立場の人々に何らかの強制的な力が働くことにならないのか?」など、倫理的に掘り下げた検討が必要です。 たとえ研究者にその意思がなくても「李下に冠を正さず」で、第三者からみて問題を指摘される場合もあります。 現に本構想については「医療ガバナンス学会」から「火事場泥棒」という痛烈な批判も上がっています。 5)ヒューマニズムを欠いたアカデミズムはあってはならない 今やゲノム科学は飛躍的に進歩し、応用発展の領域に入ろうとしています。 一方では、派生する新薬の特許・利権を求め製薬資本や国家間の熾烈な競争が繰り広げられています。 研究者がそのような競争にのみこまれるリスクも常に抱えています。 ヒトゲノムは運用や情報管理を誤れば、取り返しのつかない人権侵害を引き起こします。 長い医学の歴史の中で、戦争・国策・利権の圧力から、ヒューマニズムを欠いたアカデミズムの暴走が引き起こした凄惨な事件を私たちは経験し、戦後の医学は二度とこのような人権侵害は起こさないという反省と誓いの上に成り立っています。 このメガバンク構想をこのような過去の事例と同一視する意図は全くありませんが、震災を契機に浮上した政治的背景、その後の強行な進め方に、個人的にはどうしても危うさを感じてしまいます。 おわりに このような国家的プロジェクトは、大型公共事業と同様走りだすと止まらない可能性が大きいと思います。 実際メガバンクはすでに走り出しました。 しかし、予算はついたとは言っても、被災地住民を対象としたゲノム調査のプロトコール、医療情報の電子化の実践はこれからです。 ゲノムについて学習や住民との話し合い、ゲノム提供・廃棄の合意やルール作成、インフォームドコンセント手続きの仕方、ゲノム情報や診療情報の管理など多くの検討課題を抱えています。 今後の運用の様々な局面で、被災地住民の人権侵害などが発生しないか?そして、結果的に被災地の医療や福祉の復旧復興に寄与しているのか? 巨額の復興予算が関連企業の食い物にされていないか?など、被災地住民の立場から今後も厳しく検証し監視していくのが私たち在野の医療人の役割だと思います。 25).

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お知らせ 記事一覧 2020. 東北メディカル・メガバンク計画における歯科関連調査の設計・戦略および進捗状況に関する論文がThe Tohoku Journal of Experimental Medicine誌に掲載 地域医療支援部門の教授らによる、東北メディカル・メガバンク計画のコホート研究における歯科関連調査の位置づけと戦略および進捗に関する論文がThe Tohoku Journal of Experimental Medicine誌に掲載されました。 この論文で坪井教授らは、東北メディカル・メガバンク計画の地域住民コホート研究および三世代コホート研究の各々における歯科関連調査の位置づけと戦略を示しました。 両コホート調査に登録された約15万人の地域住民のうち、歯科関連調査に参加した約3. 2万人の分析から、震災後の宮城県内在住の地域住民におけるう蝕や歯周病の罹患状況を明らかにしました。 この横断的研究は、前向きゲノムコホート研究のベースライン調査をなしており、全身疾患、ライフスタイル、ライフイベント、遺伝的背景の間の相互作用から生じる口腔の健康と疾患に関する将来の研究のためのユニークで重要なプラットフォームを提供するものと期待されます。 本論文は、2020年6月23日にThe Tohoku Journal of Experimental Medicine誌の電子版 に掲載されました。 書誌情報 タイトル: 著者名:Akito Tsuboi, Hiroyuki Matsui, Naru Shiraishi, Takahisa Murakami, Akihito Otsuki, Junko Kawashima, Tomomi Kiyama, Toru Tamahara, Maki Goto, Shihoko Koyama, Junichi Sugawara, Eiichi N. Kodama, Hirohito Metoki, Atsushi Hozawa, Shinichi Kuriyama, Hiroaki Tomita, Masahiro Kikuya, Naoko Minegishi, Kichiya Suzuki, Seizo Koshiba, Gen Tamiya, Nobuo Fuse, Yuichi Aoki, Takako Takai-Igarashi, Soichi Ogishima, Tomohiro Nakamura, Mika Sakurai-Yageta, Fuji Nagami, Kengo Kinoshita, Shigeo Kure, Ritsuko Shimizu, Keiichi Sasaki, Masayuki Yamamoto 掲載誌: 掲載日: June 23, 2020 DOI: 10. 251. 97 関連リンク•

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【発表のポイント】• 東北メディカル・メガバンク計画においては、コホート調査 *1で得られた家系等を含む情報について、日本で初めて分譲を開始します。 分譲の対象は、三世代コホート調査 *2によって得られたもので、7人家族を形成する三世代(児を中心にみた父母・祖父母の7人により構成される家系)、158組家系(1,107人)になり、家系、調査票(生活)、検体(血液・尿)検査、全ゲノム解析に関する情報です。 世界でも稀な家系情報付きの大規模コホート情報を、全国の研究者が利用可能にとなります。 遺伝要因・環境要因の家族内での類似性もしくは異質性を三世代にわたって比較することで、効率的な疾病の原因解明につながり、次世代医療の実現に向けた個別化予防・医療の加速が期待されます。 【概要】 東北メディカル・メガバンク計画において、三世代コホート調査のベースライン調査 *3(2013年から2017年まで実施)にご協力いただいた方々のうち、7人家族を形成する三世代(児を中心にみた父母・祖父母の7人により構成される家系)158組の家系、調査票(生活)、検体(血液・尿)検査、全ゲノム解析に関する情報について、分譲を開始します。 今回の分譲では初めて家系情報が含まれます。 祖父母・父母・児の三世代を通して、健康調査情報、遺伝情報を組み合わせることにより、これまで難しかった遺伝要因及び環境要因が複雑に絡み合って起こる疾病の原因を効率的に探索することが可能になります。 三世代の家系情報の分譲は国内初であり、当計画が目指す次世代医療の実現に向けた個別化予防・医療に貢献すると考えています。 今回分譲するデータは所定の手続きの後、統合データベースdbTMM *4を通してさまざまな条件で検索して閲覧することができます。 また、申請・承認を経たうえで、分譲された情報を用いて申請者の自由な発想に基づいた解析研究を行うことができます。 なお、三世代以上の家系付のコホート調査は海外を含めても珍しく、オランダで約16万人の参加者を得ているLifelinesや、約4万人の参加者を得ている英国のALSPAC研究などが知られていますが、出生からの三世代以上のコホートとしては、当計画による20,000家系以上の取組が世界最大です。 分譲する情報は個人が特定できないよう匿名化したうえで他の研究機関に分譲が可能になるよう、インフォームド・コンセントを取得しております。 本事業は、日本医療研究開発機構(AMED)による東北メディカル・メガバンク計画のもと、東北大学東北メディカル・メガバンク機構(ToMMo)および岩手医科大学いわて東北メディカル・メガバンク機構(IMM)によって行われています。 【用語解説】 *1. コホート調査:ある特定の人々の集団を一定期間にわたって追跡し、生活習慣などの遺伝要因・環境要因などと疾病発症の関係を解明するための調査のこと。 三世代コホート調査:ToMMoが2013年7月より開始した、妊婦さんと生まれたお子さんを中心にしたコホート調査。 2017年3月までに7万人以上の参加者を得ている。 世界的に見ても貴重な家系情報付きの大規模コホート調査である。 ベースライン調査:2013年から2017年にかけて実施したリクルート時の調査。 統合データベースdbTMM:2016年4 月に発表した、東北メディカル・メガバンク計画で得られた各種の情報を統合したデータベース。 膨大なデータから高速で検索するほか、集団を層別化して自動的に統計学的な特徴を付ける等の機能を持つ。 tohoku. tohoku.

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