十二指腸 イラスト。 十二指腸潰瘍とはどのような症状の病気なのか?原因や治療法は?

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文献情報 本記事は下記サイトを参考に執筆いたしました。 十二指腸潰瘍って何? 胃のあたりが痛むので病院にいったら十二指腸潰瘍だったという事があるといいます。 十二指腸は普段はあまり意識していない臓器なので、実際どこにあって、何をしている臓器なのか知らない方も多いのではないでしょうか。 十二指腸潰瘍は胃の痛み、胃潰瘍などと間違われやすいですが、特徴的な症状があるため、ある程度自分でチェックする事が可能です。 胃潰瘍とは明らかに違う点もあるので知っておくと自己チェックに役立ちます。 ここでは十二指腸潰瘍の症状、原因、検査方法から治療法についてご紹介したいと思います。 十二指腸潰瘍とは 「じゅうにしちょうかいよう」という読み方 十二指腸って変わった名前だと思いませんか?実はこの名前がつけられたのは江戸時代だということです。 当時、海外から伝来した「ターヘル・アナトミア」という医学書の和約である「解体新書」には指の横径(横幅のことです)12本分であることからその名前が付けられたということが書かれているそうですよ。 ただ、実際に十二指腸を見ていると、指の横径12本分よりはやや長く、25cmから30cm程度あるということです。 もし杉田玄白や前野良沢らの手が大きかったら、十指腸なんて名前がついていたんでしょうか? それはともかく、十二指腸の中間あたりには、胆のうからつながる胆管と膵臓からつながる膵管の開口部があり、ファーター乳頭と呼ばれています。 胃で消化された食べ物が十二指腸に入ってくると、さまざまなホルモンが分泌され、ホルモンが胆のうや膵臓にはたらきかけることによって胆汁と膵液が押し出され、ファーター乳頭から十二指腸の中に流れ込みます。 胆汁や膵液によって混ぜられた食べ物は空腸に送られ、さらに消化・吸収が行われていくといわれています。 十二指腸に潰瘍ができる病気 十二指腸潰瘍は、ストレスなどで粘膜がただれ、傷ついてしまい潰瘍ができる病気だといわれています。 さらに症状が悪化すると、十二指腸の粘膜は薄いので、出血したり穴があいてしまうこともおこるといわれています。 穴があくことを穿孔と呼びます。 胃に近い部分によくみられる症状です。 また、十二指腸潰瘍は、空腹時、特に夜間にお腹の上の部分に痛みを感じることが多く、吐き気、胸やけなどもおこる場合もあるといわれています。 穴があいている場合は激痛がおこります。 穴から消化中の食べ物が流れ出して炎症などの二次感染を引きおこし、すぐに手術を行わないと生命に関わる場合もあるといわれています。 胃潰瘍とは異なる点が多い 十二指腸潰瘍は、胃潰瘍と基本的にはとても類似しており、症状や原因も同じだといわれています。 胃というと食べ物を消化する器官である、と思われているように、内部は消化酵素で満たされています。 そのため、胃壁は消化酵素に負けないだけの強さがあり、そうそう潰瘍が生じない仕組みになっています。 ところが、消化酵素から胃壁を守っている粘膜自体にトラブルが発生した場合にはこの限りではありません。 すなわち、身体的・精神的ストレスによって自律神経のバランスが崩れ、胃の粘膜がやられた場合などには、胃に潰瘍が出来やすくなってしまいます。 また、十二指腸は胃とは異なり、本来食べ物を消化するための期間ではありません。 そのため、十二指腸は酸に対しての抵抗力に乏しく、胃に比べて潰瘍が生じやすいという特徴があります。 ストレスのほかには、ヘリコバクター・ピロリ菌などもリスクファクターとして挙げられます。 また、十二指腸潰瘍の特徴として、空腹時に胃が痛くなりますが、食事をとると治るといわれています。 胃潰瘍の場合には、食後にむしろ痛みを伴うという逆の反応がおきるといわれています。 よく似た疾患である十二指腸潰瘍と胃潰瘍にも、こういった違いがあるんですね。 また、その他の違いとしては、欧米人には胃がんが少なく十二指腸潰瘍が多い傾向があり、逆に、日本人には十二指腸が少なく、胃がんが多いとされています。 20~40歳に多く発症している 十二指腸潰瘍は、比較的若くて胃酸分泌が活発な世代である20~40歳に多く発症していると考えられています。 十二指腸の粘膜は、酸に対して弱いため、ストレスなどで自律神経が崩れたことにより胃酸の分泌が過剰になりやすい世代において引きおこされやすいと考えられています。 一方で、胃潰瘍は40代以上からの高齢になる世代で動脈硬化などで胃粘膜への血液の供給が滞ってくるおきやすくなると考えられています。 十二指腸潰瘍の症状 空腹時や夜間の腹痛 十二指腸潰瘍の症状として最もよくみられる自覚症状として、上腹部右側の痛みがあげられます。 特に十二指腸潰瘍は、空腹時に上腹部右側の痛みが増すといわれています。 また、夜間にもしばしば上腹部痛がおこりますが、これも空腹になりはじめているために痛みが増すといわれています。 この十二指腸潰瘍の症状により、食後に痛みが増すといわれている胃潰瘍は区別できると考えられています。 食欲不振 十二指腸潰瘍になり酸が多くですぎて、粘膜の機能がおかしくなると、食欲不振になる可能性があるといわれています。 その理由としては、ただ単に粘膜の機能低下により、十二指腸とともに胃の処理能力が低下している場合と、胃酸の逆流などの不快感で食欲不振に陥っている場合などが考えられます。 また当然、食欲不振により体重が減少することもあるといわれています。 吐き気、胸やけ 十二指腸潰瘍になり、胃酸が多くでてくると胸やけなどとともに酸っぱいゲップがでてきて、吐き気・嘔吐につながるといわれています。 吐き気・嘔吐は突然襲ってくる場合もあり、食後などに胃がむかむかしてる時は、危ない兆候だと考えられています。 また、胃酸が食道を逆流することによっても、酸っぱいゲップ、胸焼けなどの症状もあらわれるといわれており、このような場合には口臭も臭くなる場合があります。 下痢 十二指腸潰瘍になって治療を開始すると下痢になる患者が多いといわれています。 これは、十二指腸潰瘍になると薬が処方されるのですが、その薬の中に胃酸の分泌を抑える効果がある場合におきる症状だといわれています。 胃酸の分泌を抑えることで、十二指腸粘膜は保護されますが、逆に胃酸の殺菌力が極めて弱くなるために、消化不良により下痢になったり、食べ物と一緒に入っていた細菌などを胃酸で殺菌することなくそのまま腸に送り出すために腸管感染症を併発して下痢が続くと考えられています。 吐血、下血 十二指腸潰瘍の症状が重くなると、吐血や下血の症状がでると考えられています。 十二指腸潰瘍になると十二指腸は、胃酸によってどす黒くなった血を吐血するといわれており、出血時には、冷や汗をかいたり、脈拍が乱れたり、血圧低下や激痛を伴うこともあると考えられています。 出血性十二指腸潰瘍の場合には、潰瘍のできた場所の血管が破れたために吐血するようになるといわれています。 また、下血については、十二指腸潰瘍で便に血が混じる場合に、どす黒い便がでるといわれています。 同じく出血性十二指腸潰瘍にてどす黒い便がでる可能性が高くなるといわれています。 ただし、下血の場合には、気づかない患者も多く、吐血するまで十二指腸潰瘍に気づかない人もいるといわれています。 また、下血は、胃がんや大腸がんの症状でも生じるため下血する場合には、医師の診断を受けることが望ましいでしょう。 狭窄 きょうさく 、変形 十二指腸潰瘍になると、十二指腸に狭窄ができたり、変形したりするといわれています。 十二指腸の入り口の部分に十二指腸潰瘍ができ、慢性的に十二指腸潰瘍の再発をくり返していると、潰瘍の傷あとがしだいにかたくなり、その部分の十二指腸の粘膜の壁が厚くなってしまうことがあるといわれいます。 その厚くなった壁の部分を食べ物が通過する際に、狭くなっているために支障をきたし、消化不良状態になることがあるといわれており、手術をしなければならない場合もあり、これを狭窄といいいます。 一方、変形は、十二指腸の球部によくできるといわれており、バリウム検査などでバリウム検査などで発見されるのですが、十二指腸潰瘍ができて、それが治る際、潰瘍のあった部位は多少引きつれた状態になるといわれています。 胃は筋肉が厚い構造になっているため、粘膜には引きつれが生じたとしても、筋肉のお蔭で胃に引きつれがおこることはありませんが、十二指腸は筋肉の層が薄い構造になっているため、粘膜が引きつれると、筋肉も引っ張られ、全体の形が変形してしまうといわれています。 背中の痛み 十二指腸潰瘍が重症化すると、背中が痛む場合もあるといわれています。 これは十二指腸潰瘍の炎症が膵臓にまでおよぶと背中が痛むと考えられています。 また、十二指腸潰瘍により、腰痛になるという報告もあるといわれています。 十二指腸潰瘍の場合には、背中の右側が痛くなるといわれ、食べる前の空腹時には、お腹の右のみぞおちが痛くなり、このように痛む場所や食事の前後で痛み方が違ってくるのが十二指腸潰瘍の特徴だといわれています。 十二指腸潰瘍の原因 胃酸過多 胃と違い、十二指腸はとても胃酸に弱い場所だといわれています。 そのため、胃酸過多になると十二指腸の粘膜は傷つき、十二指腸潰瘍になる可能性が高くなるといわれています。 しかし、胃酸過多になる原因は、次から述べますように、ストレス、ピロリ菌、刺激物の摂取など様々な原因から引きおこされるためなかなか、防ぎきれないのが現状です。 ピロリ菌などは除菌し、刺激物などはやめるようには努力できますが、どうしてもストレスによる胃酸過多は、仕事上の問題もあり、防ぎきれない場合には、医師に相談の上、薬を処方してもらうことが望ましいでしょう。 ストレス 十二指腸潰瘍の最大の原因として、何といってもストレスだといわれています。 現在では、ピロリ菌についてもいろいろ研究がなされてきたため、そのウエイトは低くなっていますが、十二指腸潰瘍に限らず、どの病気においてもストレスというものは原因になってくるものだといわれています。 またストレスの種類も仕事や家庭などの精神的なストレスだけでなく、イライラすること、不眠、仕事のしすぎによる過労などの肉体的なストレスや、緊張や不安など様々なストレスが要因となっています。 胃は強い、肉体的・精神的なストレスを感じると自律神経が活発になり、胃液が過剰分泌されると考えられており、それにより、十二指腸の粘膜が傷つきやすくなり、十二指腸潰瘍になるといわれています。 さらにそこにピロリ菌が存在した場合には、よりいっそう症状は悪くなると考えられます。 ピロリ菌 現在では、十二指腸潰瘍の7割以上がピロリ菌の感染によって引きおこされているといわれているくらいピロリ菌はとても重要な存在になってきています。 ピロリ菌は、口から入って感染するといわれており、ピロリ菌にかかると、まず、慢性的な十二指腸の不調になる可能性が高くなり、さらにそのごく一部が慢性十二指腸潰瘍になるといわれています。 ピロリ菌が生成するタンパク質のせいで、十二指腸の粘液が減少して十二指腸の粘膜が傷つきやすくなるといわれています。 検査などでピロリ菌の存在を確認した場合には、なるべく早めに抗生物質などを処方してもらい、ピロリ菌を除去することが、十二指腸潰瘍を改善するには最善の策であると考えられています。 喫煙、刺激物の摂取 喫煙や刺激物の摂取も、十二指腸潰瘍の原因となります。 強い香辛料の入ったとても辛い料理を毎日のように食べたりすると胃と十二指腸を刺激してしまい、胃酸をあいまって十二指腸の粘膜を傷つける可能性があるといわれています。 また、香辛料だけでなく、熱すぎる食べ物や冷たすぎる食べ物も十二指腸の粘膜を傷つける可能性があるといわれています。 また、大量のアルコールやコーヒーなども刺激物として考えられており、十二指腸の粘膜を傷つける可能性があります。 喫煙も十二指腸の粘膜の血流を低下させるため十二指腸潰瘍を引きおこしやすい環境を作ってしまっているといわれています。 さらに喫煙とアルコールは、胃酸を過剰分泌する働きもあるため、胃で作られた胃酸により、十二指腸の粘膜が傷つけられる可能性があります。 強い薬の長期服用 薬を飲んでるにもかかわらず、十二指腸潰瘍を引きおこしてしまうのが鎮痛剤の飲み過ぎです。 通常は痛み止めとして、非ステロイド性抗炎症薬などを服用することはかまいませんが、その服用が長期間にわたる場合には、十二指腸の粘膜に負担がかかり、十二指腸潰瘍になる可能性があるといわれています。 もともと、鎮痛剤は、副作用として十二指腸の粘膜を保護している体の成分の分泌を減らしてしまい、十二指腸の粘膜を荒らす作用があります。 鎮痛薬を飲む際には空腹時を避けてなるべく食後に飲んだ方が良く、特に十二指腸が弱い人は一緒に胃薬などを服用した方が無難です。 十二指腸が弱い方はなるべく鎮痛剤を飲まない方が、十二指腸にとっては良いのですが、痛み止めの服用は必要な時には医師の指示どおり服用して、痛みが治まったら服用を控えることが望ましいでしょう。 十二指腸潰瘍の検査方法 バリウム検査 十二指腸潰瘍の検診では、健康診断で行われる、バリウムを飲んでレントゲンをとる検査です。 バリウム検査は、食道、胃、十二指腸の病気の発見と診断の目的のために行われる検査です。 特に食道がん、胃がん、胃・十二指腸潰瘍の診断に欠かせない検査といわれています。 通常のX線検査と違うのは、バリウムを飲んで、さらに発泡剤で胃と十二指腸を膨らませて撮影するというところで、胃と十二指腸を膨らませて、その内面にバリウムを塗りつけた状態になるので、十二指腸壁などに生じた病変を早い段階から発見することができると考えられています。 胃カメラ 食道や胃、十二指腸といった消化管に問題がある場合に代表的な検査法が胃カメラでしょう。 胃カメラは正式には内視鏡検査と言われ、ファーバースコープを用いて検査する方法と、CCDカメラを用いた電子内視鏡による検査方法の2つがあります。 胃カメラの最大の問題点は、検査をする時に「オエッ」とえづいてしまうことでした。 ところが、最近では技術の進歩による機器の小型化に伴い、鼻から内視鏡を入れることによって、患者さんの負担を減らすことが可能となってきています。 内視鏡検査のメリットは、患部を視覚的に観察できるということが挙げられます。 そのため、より多くの医師の目で見て、的確な判断を下すことが可能となっています。 十二指腸潰瘍の治療法 生活習慣の改善 十二指腸潰瘍の治療法として、まず大事なのは生活習慣の改善だといわれています。 現代の社会において、仕事や家庭など状況に応じて、理想的な生活スタイルを保つことは困難だと考えられていますが、健康のためになるべく、理想的な生活習慣に改善することが、十二指腸潰瘍などの病気には大事だと考えられています。 まずは、十分な睡眠をとることが大事です。 十分な睡眠をとれないと疲労や肉体的ストレスにつながり、十二指腸潰瘍になりやすい体になると考えらえています。 夜の10時から2時の間に体は修復されるためのホルモンが放出されますので、なるべく夜更かしなどはしないで、早めに休むようにしましょう。 若いからといっまだ大丈夫だと夜更かしする人もいますが、十二指腸潰瘍は若い20代でもおきる病気なので気をつけましょう。 その他にも、喫煙は血流を悪化させたり、胃酸分泌を過剰にしたりするので控えることが望ましいでしょう。 また、現代においては難しいかもしれませんが、なるべくストレスを溜めない生活を心がけることが望ましいでしょう。 ストレスが溜まったとしても気分転換に運動などをすることが大切です。 食生活の改善 十二指腸潰瘍になった場合には、十二指腸の粘膜や機能に負担をかけないためにも、消化の良いものを食べることが望ましいでしょう。 まずは、物理的に硬くない食べ物が望ましいでしょう。 タコ・イカ・貝類・干物などの硬いものは消化に悪いといわれています。 もし食べる場合には、柔らかく調理したり、茹でたりする工夫をすればよいでしょう。 次に食物繊維が多いものは避けたほうがいいでしょう。 ゴボウなどの根菜類、海藻類、きのこなどの食物繊維を食べたい場合には、細かく切ったりミキサーにかけるなどの工夫をしましょう。 その他には、十二指腸の中にとどまっている時間が長い食べものも消化に悪いのでさけることが望ましいでしょう。 また、刺激物も十二指腸潰瘍を悪化させる可能性があるので控えることが望ましいでしょう。 刺激物を食べると胃酸の分泌が促進されてよりいっそう十二指腸の粘膜が傷つく恐れがあります。 そのため、十二指腸潰瘍になったら、刺激の強い香辛料は避けることが望ましいでしょう。 また、香辛料だけでなく、熱すぎる食べ物や冷たすぎる食べ物も十二指腸の粘膜を傷つける可能性があるといわれています。 さらに、アルコールやコーヒーなども刺激物として考えられており、十二指腸の粘膜を傷つける可能性があります。 ピロリ菌の除菌 現在の十二指腸潰瘍の治療の最重要課題としてピロリ菌除菌があげられています。 逆に考えればピロリ菌を除菌できれば、十二指腸潰瘍が改善する可能性があるということです。 また、胃潰瘍もピロリ菌により引きおこされるといわれていますので、ピロリ菌を除菌することで胃潰瘍も予防できると考えられています。 ピロリ菌の除菌は薬を服用するだけですので早めに医師の指示に従い、3種類の薬(抗菌薬2種類とプロトンポンプ阻害薬)を7日間飲み続けることで、除菌することができます。 薬事療法 十二指腸潰瘍になった場合には症状の度合いにもよりますが、薬物療法とピロリ菌除菌が行われます。 ピロリ菌の有無にかかわらず行われるのが薬物療法です。 薬物療法は、胃酸の分泌を抑えたり、十二指腸の防御機能を強める薬が処方されると考えられています。 ヒスタミンH2受容体拮抗薬、プロトンポンプ阻害薬、抗コリン薬、プロスタグランジン製剤、防御因子増強薬などがあげられます。 薬物療法を行う場合の治療期間としては、たとえ症状を感じなくなっても、十二指腸潰瘍が完全に治るまで、医師の指示通りにしっかりと薬を飲み続けることが大切だといわれています。 また、十二指腸潰瘍が治っても、再発の可能性が高いと考えられる場合には、さらに一定期間、薬を飲み続ける維持療法が行われることもあるといわれています。 手術 ほとんどの十二指腸潰瘍は、ピロリ菌の除菌と薬物療法で改善するといわれていますが、十二指腸潰瘍が重度な場合には外科的な手術が必要になるといわれています。 例えば、潰瘍が穿孔して、十二指腸に穴があいてしまった場合、出血がひどい場合、十二指腸の入り口付近が狭窄して食物が通らなくなる場合などに手術の必要性がある場合があります。 また、十二指腸胃潰瘍が、がん化した場合なども手術の必要があるといわれています。 いずれの場合も緊急性を要する症状なので、医師の指示に従い、手術を行なうことが望ましいでしょう。 入院 現在、十二指腸潰瘍の治療においては、比較的、治療をすることが簡単になってきていますので、通院で治すこともできるようになってきています。 十二指腸潰瘍から出血する程度の症状の場合は、ほとんどの方が通院治療を行っています。 しかし、十二指腸潰瘍の症状が重症の場合や、穿孔や狭窄などの緊急性を要する治療の場合には、入院して治療しなければならないといわれています。 症状としては、便に大量の血が混ざって、黒っぽくべったりとした便がでたり、嘔吐して吐血するような場合などには、医師に相談の上、入院することが望ましいでしょう。 日常生活で注意すること ストレスを溜めない 十二指腸潰瘍の最大の原因として、何といってもストレスだといわれています。 ストレスの種類も仕事や家庭などの精神的なストレスだけでなく、イライラすること、不眠、仕事のしすぎによる過労などの肉体的なストレスや、緊張や不安など様々なストレスが要因となっています。 胃は強い、肉体的・精神的なストレスを感じると自律神経が活発になり、胃液が過剰分泌されると考えられており、それにより、十二指腸の粘膜が傷つきやすくなり、十二指腸潰瘍になるといわれています。 そのため、十二指腸潰瘍にならないためにもストレスを感じない環境作りと、溜まってしまった場合にはそれを発散する努力をすることが望ましいでしょう。 タバコを吸わない 先にものべましたが、十二指腸潰瘍にならないためにも、日頃からタバコは吸わないことが望ましいでしょう。 喫煙は、十二指腸潰瘍の原因となります。 喫煙は、十二指腸の粘膜の血流を低下させるため十二指腸潰瘍を引きおこしやすい環境を作ってしまっているといわれています。 さらに、胃酸を過剰分泌する働きもあるため、胃で作られた胃酸により、十二指腸の粘膜が傷つけられる可能性があります。 アルコールを控える 十二指腸潰瘍には、大量のアルコール摂取でもなるといわれています。 十二指腸の粘膜を傷つける可能性があります。 アルコールは、胃酸を過剰分泌する働きもあるため、胃で作られた胃酸により、十二指腸の粘膜が傷つけられる可能性があります。 また、アルコールに対する耐性は個人差もあるため、大量でなくても十二指腸潰瘍が引きおこされる場合はありますので気をつけることが望ましいでしょう。 カフェインの多い飲み物を控える 十二指腸潰瘍にならないためにも、日頃からアルコールやタバコと同様にカフェインの多いコーヒーなどの飲み物は控えることが望ましいでしょう。 カフェインは、十二指腸の粘膜の血流を低下させるため十二指腸潰瘍を引きおこしやすい環境を作ってしまっているといわれています。 さらに、胃酸を過剰分泌する働きもあるため、胃で作られた胃酸により、十二指腸の粘膜が傷つけられる可能性があります。 コーヒーなどはアルコールやタバコに比べれば刺激は弱い方なので、1日1、2杯であれば問題ないといわれています。 香辛料の多い食べ物を控える 十二指腸潰瘍には、香辛料の多い食べ物も控えることが望ましいでしょう。 多量の香辛料の摂取も、十二指腸潰瘍の原因となります。 強い香辛料の入ったとても辛い料理を毎日のように食べたりすると胃と十二指腸を刺激してしまい、胃酸をあいまって十二指腸の粘膜を傷つける可能性があるといわれています。 また、香辛料だけでなく、熱すぎる食べ物や冷たすぎる食べ物も十二指腸の粘膜を傷つける可能性があるといわれています。 腹八分目を心がける 「腹八分目に医者いらず」とは昔からよく言われたことです。 特に欧米化が進んだ現代人の食生活は、胃や十二指腸、小腸や大腸などにも多大な負担をかけています。 消化によいものを食べるもはもちろんですが、しっかりと噛むことが重要です。 なぜかというと、胃の消化能力はそれほど高くないからです。 そのため、しっかりと噛んで唾液と食品を混ぜ、消化しやすい状態にして胃に送ってあげる必要があるのです。 すべての生活習慣病予防について言えることですが、栄養バランスのとれた食事を時間をかけて食べることが大事です。 できれば会話を楽しみながら食べるとより良いでしょう。 まとめ 十二指腸潰瘍についてまとめてみました。 十二指腸は大切な消化器官で、日々私たちの食べ物を消化する為に働いてくれています。 しかしストレスや刺激物、またピロリ菌などの影響で酸にさらされることで潰瘍になると、辛い痛みに苦しむことになります。 日頃、私たちは胃や腸のことを気にかけることはあっても、あまり十二指腸のことを意識して生活はしていないかもしれません。 しかし、これからは十二指腸についてもケアすることを心がけて、もし痛みの症状がでたら早めに治療を受けるようにしましょう。

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十二指腸の意外な真実(名前の由来)〜面白い雑学

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デルタ吻合とは デルタ吻合とは、胃癌などに対して行われる幽門側胃切除術の再建法のひとつです。 腹腔鏡手術の発展によって、腹腔内での再建法が必要となり、ビルロート I 法(B I法)に似た再建ができるように、金谷誠一郎先生によって開発された吻合法です。 近年では、ロボット(ダビンチ)を用いた手術においても活用されています。 デルタ吻合は、吻合口の形が三角形になることからその名前が付けられました。 (なお、三角吻合という吻合法もありますが、これは結腸の手術などで用いられる端々吻合の一種であり、機能的端々吻合の一種であるデルタ吻合とは本質的に異なります) デルタ吻合の手術手技 では、実際のデルタ吻合の方法をイラストを交えつつ、手順を追って解説していきたいと思います。 十二指腸の切離 幽門下の郭清後、十二指腸の頭側の間膜を開窓しておきます。 これがステープラーの挿入口となります。 そこにステープラーを挿入して十二指腸を切離するわけですが、ここで大切なポイントがあります。 ここで十分に捻ってから切離しておかないと、後の残胃・十二指腸吻合のステープルラインと、この十二指腸の切離ラインが平行になってしまい、血流不全の原因となってしまうので注意が必要です。 胃の後壁および前壁をそれぞれ把持して、90度ローテーションさせてから切離する。 十二指腸が短くなりすぎると吻合部に緊張がかかったり、吻合の際の可動性が悪くなるので、切離ラインはなるべく幽門付近に設定します。 ステープラーのジョーを軽く閉じて幽門側に滑らせていき、引っ掛かったところで切離すると良いでしょう。 当然のことながら、ステープラーが胃管を噛み込んでいないかどうか、ファイア前に確認して下さい。 デルタチェック 胃の切離後、吻合に入る前に、通称「デルタチェック」を行います。 デルタチェックは、吻合が緊張なく行えるかどうか判断するスクリーニング法です。 十二指腸断端と残胃断端を膵頭部辺りで交差させてみて、緊張が過度にならないか確認します。 もし緊張が強ければ、剥離できる癒着は剥離します。 十二指腸が短くなりすぎると吻合部に緊張がかかったり、吻合の際の可動性が悪くなるので、切離ラインはなるべく幽門付近に設定します。 デルタチェック 十二指腸後壁と残胃大弯を膵頭部辺りで交差させてみて緊張を確認する。 各断端に小孔を設ける 十二指腸後壁と残胃大弯に小孔を設けます。 まず、術者が、ステープルラインの端を挙上します。 次に、助手に、小孔から内容物が漏れないように小孔作成予定部の付近を鉗子でクランプしてもらいます。 その上で、ステープルラインのすぐ傍を狙って、壁を切って、小孔を作成します。 十二指腸は壁が薄いので、孔が大きくなり過ぎないように注意します。 ステープラーが挿入できるだけの、必要最低限の大きさ(1cm程)が理想的です。 胃は壁が厚いので、超音波凝固切開装置のアクティブブレードを深く突き刺して、一気に全層切るようにします。 下手に少しずつ切るとなかなか粘膜まで切れず、孔が大きくなり過ぎる恐れがあります。 残胃側の孔は1. 5cm程の大きさが良いです。 小孔を設けたら、吸引管を装備して、助手のクランプを緩めてもらいつつ、内腔の吸引を行います。 癌を播種させないためにも、内容物をこぼさないという意識で行ってください。 残胃へのステープラー挿入 吻合時は45mm長のカートリッジを用います。 まずは、ステープラーを挿入します。 術者が残胃のステープルラインをそれぞれの手で2箇所把持して、直線化し、ステープラーと残胃との軸を合わせます。 軸が合ったら、ステープラーをゆっくり奥に挿入し、残胃内にステープラーを挿入します。 残胃側には、カートリッジフォーク(太い方)を挿入しましょう。 続いて、後壁で吻合できるように、残胃をローテーションさせます。 術者は両手でステープルラインをもっているはずなので、そのまま前壁側に持ち上げつつ助手側に押すようにしてローテーションを行います。 ステープラーは必要に応じて少し回転させ、後壁で吻合されるようにしておきます。 良い角度までローテーションできたら、いったんステープラーを甘噛みして残胃をキープしておきます。 その上で、助手は、小孔から少し離れたところのステープルラインを把持します。 ここからはこの助手の右手1本で、残胃が抜けないようにしつつローテーションが戻らないようにしなければなりません。 助手が右手でステープルラインを把持したら、術者はステープルラインから両手を離します。 残胃にステープラーを挿入後、ローテーションさせる 十二指腸へのステープラーを挿入 まず、助手が、残胃からステープラーが抜けないことと、残胃のローテーションが戻らないことを意識しつつ、ステープラーと残胃を、吻合を行う場となる膵頭部前面まで持ってきます(ステープラーを甘噛みしたままにしておくと確実)。 良い位置まで来たらステープラーのジョーを再度開いて待ちます。 ここからは下手に助手は動かないようにします。 続いて、術者が、十二指腸断端のステープルラインの両端をそれぞれ持って、十二指腸断端を直線化して軸を合わせつつ、「靴下を履かせるように」十二指腸内にステープラーを挿入していきます。 「ステープラーを十二指腸内に差し入れる」のではなく、「十二指腸の方をステープラーに被せていく」という意識が重要です。 術者は十二指腸をアンビルフォークに被せる。 助手は残胃が抜けないように注意する。 吻合 ステープラーが良い位置まで挿入されたら、残胃および十二指腸のそれぞれの後壁が吻合部となるように、術者は十二指腸をローテーションさせます。 両者の後壁がきちんと合った状態ができれば、ファイアします。 両者の後壁を合わせて吻合する。 共通孔の閉鎖 まず3針糸をかけて、共通孔を仮閉鎖します。 ステープルラインがずれるように、真ん中をまず縫うのがお勧めです。 また、真ん中を先に縫っておくと、術野が展開しやすく、手前と奥も縫いやすくなります。 必ず、漿膜〜粘膜まで、全層取りこぼさないで縫いましょう。 仮閉鎖が済んだら、60mmのカートリッジで共通孔を閉鎖します。 かけておいた糸を挙上して、ステープラーとの軸が合うように調整します。 どこか1カ所の糸を挙上しすぎてもうまくいかないので、術者と助手がコミュニケーションを取りあって、バランスよく挙上しましょう(「手前上げて、奥を下げて」などの声かけを適宜行うこと)。 60mm1回で閉鎖できることも多いですが、足りなければもう1発45mmなどを追加しましょう。 仮閉鎖した糸をうまく使って共通孔を閉鎖する。 出来上がり 共通孔を閉鎖して切り落とした断端が全層取れているかを確認しましょう。 もし不安な点があれば手縫い縫合を追加して補強します。 また、膵にステープルが接触しない方が良いという意見もあり、膵と接触するステープルラインは漿膜筋層縫合を用いて埋没する方が良いかもしれません。 デルタ吻合の出来上がりの状態。 まとめ デルタ吻合は腹腔内で鉗子を用いて行う方法であるため、ひとつひとつの操作を、手順を追って積み重ねていく必要があります。 行うべき操作が完遂されないままに次の操作へと流れていくと、最終的には大きな綻びとなってしまいます。 ステップバイステップで操作を進めましょう。 また、デルタ吻合は助手にも一定以上のスキルが必要されるため、チームとしてこの吻合法に習熟していることが求められます。 事前にビデオやテキストでしっかり予習してから挑みましょう。

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【CT画像あり】十二指腸の場所を図で解説!潰瘍ではココが痛む!

十二指腸 イラスト

文献情報 本記事は下記サイトを参考に執筆いたしました。 十二指腸潰瘍って何? 胃のあたりが痛むので病院にいったら十二指腸潰瘍だったという事があるといいます。 十二指腸は普段はあまり意識していない臓器なので、実際どこにあって、何をしている臓器なのか知らない方も多いのではないでしょうか。 十二指腸潰瘍は胃の痛み、胃潰瘍などと間違われやすいですが、特徴的な症状があるため、ある程度自分でチェックする事が可能です。 胃潰瘍とは明らかに違う点もあるので知っておくと自己チェックに役立ちます。 ここでは十二指腸潰瘍の症状、原因、検査方法から治療法についてご紹介したいと思います。 十二指腸潰瘍とは 「じゅうにしちょうかいよう」という読み方 十二指腸って変わった名前だと思いませんか?実はこの名前がつけられたのは江戸時代だということです。 当時、海外から伝来した「ターヘル・アナトミア」という医学書の和約である「解体新書」には指の横径(横幅のことです)12本分であることからその名前が付けられたということが書かれているそうですよ。 ただ、実際に十二指腸を見ていると、指の横径12本分よりはやや長く、25cmから30cm程度あるということです。 もし杉田玄白や前野良沢らの手が大きかったら、十指腸なんて名前がついていたんでしょうか? それはともかく、十二指腸の中間あたりには、胆のうからつながる胆管と膵臓からつながる膵管の開口部があり、ファーター乳頭と呼ばれています。 胃で消化された食べ物が十二指腸に入ってくると、さまざまなホルモンが分泌され、ホルモンが胆のうや膵臓にはたらきかけることによって胆汁と膵液が押し出され、ファーター乳頭から十二指腸の中に流れ込みます。 胆汁や膵液によって混ぜられた食べ物は空腸に送られ、さらに消化・吸収が行われていくといわれています。 十二指腸に潰瘍ができる病気 十二指腸潰瘍は、ストレスなどで粘膜がただれ、傷ついてしまい潰瘍ができる病気だといわれています。 さらに症状が悪化すると、十二指腸の粘膜は薄いので、出血したり穴があいてしまうこともおこるといわれています。 穴があくことを穿孔と呼びます。 胃に近い部分によくみられる症状です。 また、十二指腸潰瘍は、空腹時、特に夜間にお腹の上の部分に痛みを感じることが多く、吐き気、胸やけなどもおこる場合もあるといわれています。 穴があいている場合は激痛がおこります。 穴から消化中の食べ物が流れ出して炎症などの二次感染を引きおこし、すぐに手術を行わないと生命に関わる場合もあるといわれています。 胃潰瘍とは異なる点が多い 十二指腸潰瘍は、胃潰瘍と基本的にはとても類似しており、症状や原因も同じだといわれています。 胃というと食べ物を消化する器官である、と思われているように、内部は消化酵素で満たされています。 そのため、胃壁は消化酵素に負けないだけの強さがあり、そうそう潰瘍が生じない仕組みになっています。 ところが、消化酵素から胃壁を守っている粘膜自体にトラブルが発生した場合にはこの限りではありません。 すなわち、身体的・精神的ストレスによって自律神経のバランスが崩れ、胃の粘膜がやられた場合などには、胃に潰瘍が出来やすくなってしまいます。 また、十二指腸は胃とは異なり、本来食べ物を消化するための期間ではありません。 そのため、十二指腸は酸に対しての抵抗力に乏しく、胃に比べて潰瘍が生じやすいという特徴があります。 ストレスのほかには、ヘリコバクター・ピロリ菌などもリスクファクターとして挙げられます。 また、十二指腸潰瘍の特徴として、空腹時に胃が痛くなりますが、食事をとると治るといわれています。 胃潰瘍の場合には、食後にむしろ痛みを伴うという逆の反応がおきるといわれています。 よく似た疾患である十二指腸潰瘍と胃潰瘍にも、こういった違いがあるんですね。 また、その他の違いとしては、欧米人には胃がんが少なく十二指腸潰瘍が多い傾向があり、逆に、日本人には十二指腸が少なく、胃がんが多いとされています。 20~40歳に多く発症している 十二指腸潰瘍は、比較的若くて胃酸分泌が活発な世代である20~40歳に多く発症していると考えられています。 十二指腸の粘膜は、酸に対して弱いため、ストレスなどで自律神経が崩れたことにより胃酸の分泌が過剰になりやすい世代において引きおこされやすいと考えられています。 一方で、胃潰瘍は40代以上からの高齢になる世代で動脈硬化などで胃粘膜への血液の供給が滞ってくるおきやすくなると考えられています。 十二指腸潰瘍の症状 空腹時や夜間の腹痛 十二指腸潰瘍の症状として最もよくみられる自覚症状として、上腹部右側の痛みがあげられます。 特に十二指腸潰瘍は、空腹時に上腹部右側の痛みが増すといわれています。 また、夜間にもしばしば上腹部痛がおこりますが、これも空腹になりはじめているために痛みが増すといわれています。 この十二指腸潰瘍の症状により、食後に痛みが増すといわれている胃潰瘍は区別できると考えられています。 食欲不振 十二指腸潰瘍になり酸が多くですぎて、粘膜の機能がおかしくなると、食欲不振になる可能性があるといわれています。 その理由としては、ただ単に粘膜の機能低下により、十二指腸とともに胃の処理能力が低下している場合と、胃酸の逆流などの不快感で食欲不振に陥っている場合などが考えられます。 また当然、食欲不振により体重が減少することもあるといわれています。 吐き気、胸やけ 十二指腸潰瘍になり、胃酸が多くでてくると胸やけなどとともに酸っぱいゲップがでてきて、吐き気・嘔吐につながるといわれています。 吐き気・嘔吐は突然襲ってくる場合もあり、食後などに胃がむかむかしてる時は、危ない兆候だと考えられています。 また、胃酸が食道を逆流することによっても、酸っぱいゲップ、胸焼けなどの症状もあらわれるといわれており、このような場合には口臭も臭くなる場合があります。 下痢 十二指腸潰瘍になって治療を開始すると下痢になる患者が多いといわれています。 これは、十二指腸潰瘍になると薬が処方されるのですが、その薬の中に胃酸の分泌を抑える効果がある場合におきる症状だといわれています。 胃酸の分泌を抑えることで、十二指腸粘膜は保護されますが、逆に胃酸の殺菌力が極めて弱くなるために、消化不良により下痢になったり、食べ物と一緒に入っていた細菌などを胃酸で殺菌することなくそのまま腸に送り出すために腸管感染症を併発して下痢が続くと考えられています。 吐血、下血 十二指腸潰瘍の症状が重くなると、吐血や下血の症状がでると考えられています。 十二指腸潰瘍になると十二指腸は、胃酸によってどす黒くなった血を吐血するといわれており、出血時には、冷や汗をかいたり、脈拍が乱れたり、血圧低下や激痛を伴うこともあると考えられています。 出血性十二指腸潰瘍の場合には、潰瘍のできた場所の血管が破れたために吐血するようになるといわれています。 また、下血については、十二指腸潰瘍で便に血が混じる場合に、どす黒い便がでるといわれています。 同じく出血性十二指腸潰瘍にてどす黒い便がでる可能性が高くなるといわれています。 ただし、下血の場合には、気づかない患者も多く、吐血するまで十二指腸潰瘍に気づかない人もいるといわれています。 また、下血は、胃がんや大腸がんの症状でも生じるため下血する場合には、医師の診断を受けることが望ましいでしょう。 狭窄 きょうさく 、変形 十二指腸潰瘍になると、十二指腸に狭窄ができたり、変形したりするといわれています。 十二指腸の入り口の部分に十二指腸潰瘍ができ、慢性的に十二指腸潰瘍の再発をくり返していると、潰瘍の傷あとがしだいにかたくなり、その部分の十二指腸の粘膜の壁が厚くなってしまうことがあるといわれいます。 その厚くなった壁の部分を食べ物が通過する際に、狭くなっているために支障をきたし、消化不良状態になることがあるといわれており、手術をしなければならない場合もあり、これを狭窄といいいます。 一方、変形は、十二指腸の球部によくできるといわれており、バリウム検査などでバリウム検査などで発見されるのですが、十二指腸潰瘍ができて、それが治る際、潰瘍のあった部位は多少引きつれた状態になるといわれています。 胃は筋肉が厚い構造になっているため、粘膜には引きつれが生じたとしても、筋肉のお蔭で胃に引きつれがおこることはありませんが、十二指腸は筋肉の層が薄い構造になっているため、粘膜が引きつれると、筋肉も引っ張られ、全体の形が変形してしまうといわれています。 背中の痛み 十二指腸潰瘍が重症化すると、背中が痛む場合もあるといわれています。 これは十二指腸潰瘍の炎症が膵臓にまでおよぶと背中が痛むと考えられています。 また、十二指腸潰瘍により、腰痛になるという報告もあるといわれています。 十二指腸潰瘍の場合には、背中の右側が痛くなるといわれ、食べる前の空腹時には、お腹の右のみぞおちが痛くなり、このように痛む場所や食事の前後で痛み方が違ってくるのが十二指腸潰瘍の特徴だといわれています。 十二指腸潰瘍の原因 胃酸過多 胃と違い、十二指腸はとても胃酸に弱い場所だといわれています。 そのため、胃酸過多になると十二指腸の粘膜は傷つき、十二指腸潰瘍になる可能性が高くなるといわれています。 しかし、胃酸過多になる原因は、次から述べますように、ストレス、ピロリ菌、刺激物の摂取など様々な原因から引きおこされるためなかなか、防ぎきれないのが現状です。 ピロリ菌などは除菌し、刺激物などはやめるようには努力できますが、どうしてもストレスによる胃酸過多は、仕事上の問題もあり、防ぎきれない場合には、医師に相談の上、薬を処方してもらうことが望ましいでしょう。 ストレス 十二指腸潰瘍の最大の原因として、何といってもストレスだといわれています。 現在では、ピロリ菌についてもいろいろ研究がなされてきたため、そのウエイトは低くなっていますが、十二指腸潰瘍に限らず、どの病気においてもストレスというものは原因になってくるものだといわれています。 またストレスの種類も仕事や家庭などの精神的なストレスだけでなく、イライラすること、不眠、仕事のしすぎによる過労などの肉体的なストレスや、緊張や不安など様々なストレスが要因となっています。 胃は強い、肉体的・精神的なストレスを感じると自律神経が活発になり、胃液が過剰分泌されると考えられており、それにより、十二指腸の粘膜が傷つきやすくなり、十二指腸潰瘍になるといわれています。 さらにそこにピロリ菌が存在した場合には、よりいっそう症状は悪くなると考えられます。 ピロリ菌 現在では、十二指腸潰瘍の7割以上がピロリ菌の感染によって引きおこされているといわれているくらいピロリ菌はとても重要な存在になってきています。 ピロリ菌は、口から入って感染するといわれており、ピロリ菌にかかると、まず、慢性的な十二指腸の不調になる可能性が高くなり、さらにそのごく一部が慢性十二指腸潰瘍になるといわれています。 ピロリ菌が生成するタンパク質のせいで、十二指腸の粘液が減少して十二指腸の粘膜が傷つきやすくなるといわれています。 検査などでピロリ菌の存在を確認した場合には、なるべく早めに抗生物質などを処方してもらい、ピロリ菌を除去することが、十二指腸潰瘍を改善するには最善の策であると考えられています。 喫煙、刺激物の摂取 喫煙や刺激物の摂取も、十二指腸潰瘍の原因となります。 強い香辛料の入ったとても辛い料理を毎日のように食べたりすると胃と十二指腸を刺激してしまい、胃酸をあいまって十二指腸の粘膜を傷つける可能性があるといわれています。 また、香辛料だけでなく、熱すぎる食べ物や冷たすぎる食べ物も十二指腸の粘膜を傷つける可能性があるといわれています。 また、大量のアルコールやコーヒーなども刺激物として考えられており、十二指腸の粘膜を傷つける可能性があります。 喫煙も十二指腸の粘膜の血流を低下させるため十二指腸潰瘍を引きおこしやすい環境を作ってしまっているといわれています。 さらに喫煙とアルコールは、胃酸を過剰分泌する働きもあるため、胃で作られた胃酸により、十二指腸の粘膜が傷つけられる可能性があります。 強い薬の長期服用 薬を飲んでるにもかかわらず、十二指腸潰瘍を引きおこしてしまうのが鎮痛剤の飲み過ぎです。 通常は痛み止めとして、非ステロイド性抗炎症薬などを服用することはかまいませんが、その服用が長期間にわたる場合には、十二指腸の粘膜に負担がかかり、十二指腸潰瘍になる可能性があるといわれています。 もともと、鎮痛剤は、副作用として十二指腸の粘膜を保護している体の成分の分泌を減らしてしまい、十二指腸の粘膜を荒らす作用があります。 鎮痛薬を飲む際には空腹時を避けてなるべく食後に飲んだ方が良く、特に十二指腸が弱い人は一緒に胃薬などを服用した方が無難です。 十二指腸が弱い方はなるべく鎮痛剤を飲まない方が、十二指腸にとっては良いのですが、痛み止めの服用は必要な時には医師の指示どおり服用して、痛みが治まったら服用を控えることが望ましいでしょう。 十二指腸潰瘍の検査方法 バリウム検査 十二指腸潰瘍の検診では、健康診断で行われる、バリウムを飲んでレントゲンをとる検査です。 バリウム検査は、食道、胃、十二指腸の病気の発見と診断の目的のために行われる検査です。 特に食道がん、胃がん、胃・十二指腸潰瘍の診断に欠かせない検査といわれています。 通常のX線検査と違うのは、バリウムを飲んで、さらに発泡剤で胃と十二指腸を膨らませて撮影するというところで、胃と十二指腸を膨らませて、その内面にバリウムを塗りつけた状態になるので、十二指腸壁などに生じた病変を早い段階から発見することができると考えられています。 胃カメラ 食道や胃、十二指腸といった消化管に問題がある場合に代表的な検査法が胃カメラでしょう。 胃カメラは正式には内視鏡検査と言われ、ファーバースコープを用いて検査する方法と、CCDカメラを用いた電子内視鏡による検査方法の2つがあります。 胃カメラの最大の問題点は、検査をする時に「オエッ」とえづいてしまうことでした。 ところが、最近では技術の進歩による機器の小型化に伴い、鼻から内視鏡を入れることによって、患者さんの負担を減らすことが可能となってきています。 内視鏡検査のメリットは、患部を視覚的に観察できるということが挙げられます。 そのため、より多くの医師の目で見て、的確な判断を下すことが可能となっています。 十二指腸潰瘍の治療法 生活習慣の改善 十二指腸潰瘍の治療法として、まず大事なのは生活習慣の改善だといわれています。 現代の社会において、仕事や家庭など状況に応じて、理想的な生活スタイルを保つことは困難だと考えられていますが、健康のためになるべく、理想的な生活習慣に改善することが、十二指腸潰瘍などの病気には大事だと考えられています。 まずは、十分な睡眠をとることが大事です。 十分な睡眠をとれないと疲労や肉体的ストレスにつながり、十二指腸潰瘍になりやすい体になると考えらえています。 夜の10時から2時の間に体は修復されるためのホルモンが放出されますので、なるべく夜更かしなどはしないで、早めに休むようにしましょう。 若いからといっまだ大丈夫だと夜更かしする人もいますが、十二指腸潰瘍は若い20代でもおきる病気なので気をつけましょう。 その他にも、喫煙は血流を悪化させたり、胃酸分泌を過剰にしたりするので控えることが望ましいでしょう。 また、現代においては難しいかもしれませんが、なるべくストレスを溜めない生活を心がけることが望ましいでしょう。 ストレスが溜まったとしても気分転換に運動などをすることが大切です。 食生活の改善 十二指腸潰瘍になった場合には、十二指腸の粘膜や機能に負担をかけないためにも、消化の良いものを食べることが望ましいでしょう。 まずは、物理的に硬くない食べ物が望ましいでしょう。 タコ・イカ・貝類・干物などの硬いものは消化に悪いといわれています。 もし食べる場合には、柔らかく調理したり、茹でたりする工夫をすればよいでしょう。 次に食物繊維が多いものは避けたほうがいいでしょう。 ゴボウなどの根菜類、海藻類、きのこなどの食物繊維を食べたい場合には、細かく切ったりミキサーにかけるなどの工夫をしましょう。 その他には、十二指腸の中にとどまっている時間が長い食べものも消化に悪いのでさけることが望ましいでしょう。 また、刺激物も十二指腸潰瘍を悪化させる可能性があるので控えることが望ましいでしょう。 刺激物を食べると胃酸の分泌が促進されてよりいっそう十二指腸の粘膜が傷つく恐れがあります。 そのため、十二指腸潰瘍になったら、刺激の強い香辛料は避けることが望ましいでしょう。 また、香辛料だけでなく、熱すぎる食べ物や冷たすぎる食べ物も十二指腸の粘膜を傷つける可能性があるといわれています。 さらに、アルコールやコーヒーなども刺激物として考えられており、十二指腸の粘膜を傷つける可能性があります。 ピロリ菌の除菌 現在の十二指腸潰瘍の治療の最重要課題としてピロリ菌除菌があげられています。 逆に考えればピロリ菌を除菌できれば、十二指腸潰瘍が改善する可能性があるということです。 また、胃潰瘍もピロリ菌により引きおこされるといわれていますので、ピロリ菌を除菌することで胃潰瘍も予防できると考えられています。 ピロリ菌の除菌は薬を服用するだけですので早めに医師の指示に従い、3種類の薬(抗菌薬2種類とプロトンポンプ阻害薬)を7日間飲み続けることで、除菌することができます。 薬事療法 十二指腸潰瘍になった場合には症状の度合いにもよりますが、薬物療法とピロリ菌除菌が行われます。 ピロリ菌の有無にかかわらず行われるのが薬物療法です。 薬物療法は、胃酸の分泌を抑えたり、十二指腸の防御機能を強める薬が処方されると考えられています。 ヒスタミンH2受容体拮抗薬、プロトンポンプ阻害薬、抗コリン薬、プロスタグランジン製剤、防御因子増強薬などがあげられます。 薬物療法を行う場合の治療期間としては、たとえ症状を感じなくなっても、十二指腸潰瘍が完全に治るまで、医師の指示通りにしっかりと薬を飲み続けることが大切だといわれています。 また、十二指腸潰瘍が治っても、再発の可能性が高いと考えられる場合には、さらに一定期間、薬を飲み続ける維持療法が行われることもあるといわれています。 手術 ほとんどの十二指腸潰瘍は、ピロリ菌の除菌と薬物療法で改善するといわれていますが、十二指腸潰瘍が重度な場合には外科的な手術が必要になるといわれています。 例えば、潰瘍が穿孔して、十二指腸に穴があいてしまった場合、出血がひどい場合、十二指腸の入り口付近が狭窄して食物が通らなくなる場合などに手術の必要性がある場合があります。 また、十二指腸胃潰瘍が、がん化した場合なども手術の必要があるといわれています。 いずれの場合も緊急性を要する症状なので、医師の指示に従い、手術を行なうことが望ましいでしょう。 入院 現在、十二指腸潰瘍の治療においては、比較的、治療をすることが簡単になってきていますので、通院で治すこともできるようになってきています。 十二指腸潰瘍から出血する程度の症状の場合は、ほとんどの方が通院治療を行っています。 しかし、十二指腸潰瘍の症状が重症の場合や、穿孔や狭窄などの緊急性を要する治療の場合には、入院して治療しなければならないといわれています。 症状としては、便に大量の血が混ざって、黒っぽくべったりとした便がでたり、嘔吐して吐血するような場合などには、医師に相談の上、入院することが望ましいでしょう。 日常生活で注意すること ストレスを溜めない 十二指腸潰瘍の最大の原因として、何といってもストレスだといわれています。 ストレスの種類も仕事や家庭などの精神的なストレスだけでなく、イライラすること、不眠、仕事のしすぎによる過労などの肉体的なストレスや、緊張や不安など様々なストレスが要因となっています。 胃は強い、肉体的・精神的なストレスを感じると自律神経が活発になり、胃液が過剰分泌されると考えられており、それにより、十二指腸の粘膜が傷つきやすくなり、十二指腸潰瘍になるといわれています。 そのため、十二指腸潰瘍にならないためにもストレスを感じない環境作りと、溜まってしまった場合にはそれを発散する努力をすることが望ましいでしょう。 タバコを吸わない 先にものべましたが、十二指腸潰瘍にならないためにも、日頃からタバコは吸わないことが望ましいでしょう。 喫煙は、十二指腸潰瘍の原因となります。 喫煙は、十二指腸の粘膜の血流を低下させるため十二指腸潰瘍を引きおこしやすい環境を作ってしまっているといわれています。 さらに、胃酸を過剰分泌する働きもあるため、胃で作られた胃酸により、十二指腸の粘膜が傷つけられる可能性があります。 アルコールを控える 十二指腸潰瘍には、大量のアルコール摂取でもなるといわれています。 十二指腸の粘膜を傷つける可能性があります。 アルコールは、胃酸を過剰分泌する働きもあるため、胃で作られた胃酸により、十二指腸の粘膜が傷つけられる可能性があります。 また、アルコールに対する耐性は個人差もあるため、大量でなくても十二指腸潰瘍が引きおこされる場合はありますので気をつけることが望ましいでしょう。 カフェインの多い飲み物を控える 十二指腸潰瘍にならないためにも、日頃からアルコールやタバコと同様にカフェインの多いコーヒーなどの飲み物は控えることが望ましいでしょう。 カフェインは、十二指腸の粘膜の血流を低下させるため十二指腸潰瘍を引きおこしやすい環境を作ってしまっているといわれています。 さらに、胃酸を過剰分泌する働きもあるため、胃で作られた胃酸により、十二指腸の粘膜が傷つけられる可能性があります。 コーヒーなどはアルコールやタバコに比べれば刺激は弱い方なので、1日1、2杯であれば問題ないといわれています。 香辛料の多い食べ物を控える 十二指腸潰瘍には、香辛料の多い食べ物も控えることが望ましいでしょう。 多量の香辛料の摂取も、十二指腸潰瘍の原因となります。 強い香辛料の入ったとても辛い料理を毎日のように食べたりすると胃と十二指腸を刺激してしまい、胃酸をあいまって十二指腸の粘膜を傷つける可能性があるといわれています。 また、香辛料だけでなく、熱すぎる食べ物や冷たすぎる食べ物も十二指腸の粘膜を傷つける可能性があるといわれています。 腹八分目を心がける 「腹八分目に医者いらず」とは昔からよく言われたことです。 特に欧米化が進んだ現代人の食生活は、胃や十二指腸、小腸や大腸などにも多大な負担をかけています。 消化によいものを食べるもはもちろんですが、しっかりと噛むことが重要です。 なぜかというと、胃の消化能力はそれほど高くないからです。 そのため、しっかりと噛んで唾液と食品を混ぜ、消化しやすい状態にして胃に送ってあげる必要があるのです。 すべての生活習慣病予防について言えることですが、栄養バランスのとれた食事を時間をかけて食べることが大事です。 できれば会話を楽しみながら食べるとより良いでしょう。 まとめ 十二指腸潰瘍についてまとめてみました。 十二指腸は大切な消化器官で、日々私たちの食べ物を消化する為に働いてくれています。 しかしストレスや刺激物、またピロリ菌などの影響で酸にさらされることで潰瘍になると、辛い痛みに苦しむことになります。 日頃、私たちは胃や腸のことを気にかけることはあっても、あまり十二指腸のことを意識して生活はしていないかもしれません。 しかし、これからは十二指腸についてもケアすることを心がけて、もし痛みの症状がでたら早めに治療を受けるようにしましょう。

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